厳選!講演&公演動画集
動画で舞台映像を見てもその魅力や迫力は丸ごと伝わらない。やっぱり目の前で観ていただきたいと思う。
それでもシェイクスピアシアター(以下、シアター)公式YouTubeチャンネルに上げた動画の中から、これだけは見てほしい!という動画をまとめました。
(2024/5/22、加筆・修正)
(30秒〜60秒程のショート動画もYouTubeで上げています。)
目次
1、シェイクスピアの読み方・演じ方
2、シェイクスピアの最高峰「ハムレット」
3、シアターの定番「夏」と「間違い」
4、出口典雄最後の本公演「マクベス」
5、シアターの代名詞「十二夜」
まずはこれから。
1、シェイクスピアの読み方・演じ方
2020年6月公演を中止する判断をした後、これからの方針を話し合っているなかで始まったシリーズです。まだまだ挑戦を続けていた演出家 出口典雄、80歳のYouTubeデビューです。
(参考画像:「80歳からのシェイクスピア」より)
「言葉を大切にする」とは。
「シェイクスピアの台詞を読むときに気をつけること」とは。
言葉の構造、動き、修飾関係 (例えば「美しい花」と「速く走る」) を意識して読むこと。半世紀にわたってシェイクスピアを演出してきた一つの到達点です。詳しくはぜひこのシリーズをご覧ください。
2、シェイクスピアの最高峰「ハムレット」
シアターの歴史は45年以上になります。詳しくは「劇団紹介」のページをご覧ください。
卒業生には現在でも舞台や映像、声優の世界で活躍されている方がいらっしゃいます。例えば佐野史郎さん(1期生)、渡辺哲さん(1期生)、田代隆秀さん(1期生)、吉沢希梨さん(2期生)といった方々。
そのなかでも吉田鋼太郎さん(8期生)が客演していた頃の映像とともに、出口先生の「ハムレット」の解説講義をお聴きいただきたいと思います。
まず取り上げるのは第三独白「このままでいいのか、いけないのか」。動画内にもありますが、シアターの原点の一つでもあります。
よく知られている第三独白はもちろんですが、ハムレットを読み解くにはぜひ第一独白にも注目していただきたいと思います。
もっと見たい方は「ハムレット」③では第ニ独白、⑤では第四独白、旅役者についても②で、それぞれ解説していますので、どうぞご覧ください。
◇「ハムレット」編
①:第一独白、②:旅役者、③:第二独白
④:第三独白、⑤:第四独白
手っ取り早く「ハムレット」を観るなら、国立西洋美術館において、シアターによる演劇パフォーマンスがございます。(50分程度)
3、シアターの定番「夏」と「間違い」
シアターの芸術鑑賞会では「間違いの喜劇」と「夏の夜の夢」の二作品をご用意しています。これらの作品は中学生高校生と同じ年代が主人公であり、身近な内容で、芸術鑑賞会にはピッタリな作品です。
また、劇団創立以来、本公演や芸術鑑賞会等で、両作品とも上演回数の最も多い演目であり、それだけに練りに練られた作品とも言えます。
ここでは2021年に上演した芸術鑑賞会より、最新の「間違いの喜劇」、門のシーン(3幕1場)を取り上げます。
かつて、翻訳者の小田島雄志先生から一言、「歌舞伎だねぇ」との感想をいただいたシーンであり作品です。(シアターの伝統としての型ができた、ということでしょうか)
他にもシーンまるごと、2幕2場(この直前の場面)、4幕4場(ピンチ先生の登場)をYouTubeにアップしていますので、のぞいてみてください。
「夏の夜の夢」は2022年の芸術鑑賞会での公演より、3幕2場、恋人たちのシーンを取り上げています。10分超の動画ですが、ぜひ最後までご覧ください。新人たちも好演しています。
こちらは「夏の夜の夢」職人たち(1幕2場)のショート動画。お時間ない方も30秒だけ見ていってください。
4、出口典雄最後の本公演「マクベス」
2019年11月、演出家出口典雄、最後の本公演となった「マクベス」。【シェイクスピアの読み方・演じ方】(マクベス編)の⑤で紹介している動画の一部を改めてアップしています。
⑤はマクベスが幻影に襲われるシーン。本番をご覧になった複数のお客様から、「演出が冴えていた」とのご感想をいただきました。
「マクベス」編①〜④では1996年の公演動画を使っています。吉田鋼太郎さん、吉沢希梨さん、お二人が主演されていた頃の舞台です。
シアターでは珍しく、鏡張りの大きな舞台装置があり、鏡にマクベスが向かうことでマクベス夫人が、魔女が、バンクォーが浮かび上がる、そんな演出に活かされています。(予算オーバーなことは秘密です。)
「マクベス」ではもう一つ、1996年と2019年の宴会のシーン(3幕4場)を比較、
その演出の違いにも目を向けてみると面白いかもしれません。
5、シアターの代名詞「十二夜」
シェイクスピアシアターの旗揚げ公演は「十二夜」でした。シアターのシェイクスピアが通用するのか、世に問うた作品であり、この成功によって、6年をかけて全作品上演にまで至りました。
その後もこけら落とし公演など、節目のときには度々上演されてきた演目です。「十二夜」にはシェイクスピア喜劇の特徴が余すところなく表現されています。まさにシアターの喜劇の代名詞です。
YouTubeに上げた「十二夜」編だけでも合計で2時間半ほどになりました。
その中から「十二夜」編の④をご紹介します。2幕4場について、オーシーノー公爵の切ない恋とヴァイオラの耐える愛、その表現しがたい関係性を解説しています。
もう一つ、続きの2幕5場、偽手紙のシーンもご紹介したいと思います。前半ではマルヴォーリオの恋、また恋をする人間の愚かさを、後半では劇における現存性にまで言及し、シェイクスピアの大きさを解説しています。
そのほかにも「十二夜」編では、道化のフェステの役割、ヴァイオラの兄セバスチャンの恋と友情、1幕2場にしか登場しない船長の存在など、話しているうちに元気になっていく演出家が縦横無尽に語っています。
以上、選定は独断によるものです。
なお、台本は小田島雄志訳を使っています。白水社から出版されている、黄色と緑色のカバーが目印の本です。
どんな台詞かあらかじめ知っておいてからご覧いただくと、いろんな発見があるかもしれません。
もっと言えば、実際に声に出してシェイクスピアの息の長い文脈にチャレンジしてみてください。14歳にも80歳にも新しい気付きを与えてくれます。このページの最初にあげた「1、シェイクスピアの読み方・演じ方」がその道しるべになります。また別の視点から楽しみたい方にはオススメです。
そして、ぜひ劇場で生の舞台をご覧いただきたいと思います。シアターが見せるシェイクスピアは規模は小さくとも、エネルギーやスピード感は他にはないシェイクスピアです。ご来場いただきましたお客様からのご感想など、アップしています。これからの活動の励みになっております。
今後とも皆さまのご支援、ご協力を切にお願い申し上げます。
動画撮影:中村翔
文:西山公介
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